第16回日本音楽療法学会四国学術大会を終えて

大会長   新  緑

2021年11月14日(日)、愛媛県が当番の四国支部学術大会を無事に終えることができました。昨年度は香川県が当番でしたが、全国に先駆けて支部大会がオンラインで開催され、それ以降Web開催が全国に広がり、全国大会の学術大会、講習会等となりました。Web開催は、参加する立場としては自宅から気楽に参加することができますが、主催となると立場は一変し、準備開始から当日の最後まで気が抜けぬ日々でした。香川の先生方から多くのアドバイスをいただき、実行委員や業者との打ち合わせを重ねながらなんとか最後まで終了することができました。

 昨年に引き続き藤本禮子理事長にご参加いただき、「格調高い大会だった」とのお褒めの言葉をいただき、安堵いたしました。理事長先生には、開会式で急遽国家資格化について代議士で日本音楽療法学会顧問の秋野公造先生よりお話いただく段取りをしていただき、短時間ではありましたが、支部会員にとりまして初めて国家資格を身近に感じられたひと時となりました。

 教育講演をお願いしたお二人の先生方は、オンラインでのご講義に慣れておられ、会員にとりましてスムーズでわかりやすいご講義を拝聴することができました。感謝申し上げます。

1.教育講演Ⅰ:高橋 味央 先生「トラウマ・愛着の影響とケア」(90分) 本年1月に、四国支部の認定団体である「西瀬戸音楽療法研究会」の講師として講演をしていただきましたが、大変勉強になり、参加者からもう少し深めたいとの要望がたくさんありましたので、四国支部大会でも講師をお願いしましたところ、快く引き受けてくださいました。今回はさらに内容が濃くなり、専門的で深い内容を、大変わかりやすくご講義いただき、ご参加の皆様の心に響くご講演であったと思います。

2.口演発表1名(15分) 厳正なる査読の結果、今回はおひとりが選ばれました。PowerPointの共有にて発表をしていただき、チャットにて質問を受けつけて答えていただきました。上羽(糟谷)由香先生の座長で進められました。

3.第1回四国支部LSC講習会のご報告  今年度、四国支部に初めてラーニング・サポート・センター(LSC)が設立され、運営委員長である、上羽(糟谷)由香先生により、8月1日に開催された第1回講習会の内容と取り組みについて、報告がなされました。また次回の開催予告が伝えられました。

4.教育講演Ⅱ 管谷由紀子先生「認知症高齢者を対象とした音楽療法の実際と エビデンス創出のための一提案」(90分)  日本認知症予防学会で認知症予防専門士指導者としてご活躍をされている管谷由紀子先生に講演をお願いしたところ、快くお引き受けいただきました。高齢者を対象に音楽療法を実施している音楽療法士は大変多く、認知症予防に対する正しい理解や、実際の音楽療法実践の様子を拝聴でき、改めて音楽療法の使命は個人にあること、また、一番の課題であるエビデンス創出のために、研究発表された内容(の一部)を拝聴でき、徹底した研究の深め方について今後の音楽療法の実践に多くの示唆をいただくことができました。

5.四国支部総会 四国支部事務局の栗田京子先生に進行を委ね総会を開催しました。四国支部の大会参加者は総会に残り、不参加者からは委任状も届いており、定足数を満たして開催できました。議事は滞りなく進行し、次年度の当番は高知県であることを確認して総会は終了しました。

 開催中は瞬間的な対応も必要でしたが、多くの皆様のご協力を賜り、無事に終了することができました。実行委員一同心より感謝を申し上げます。今後は、以前のような対面での学術大会ができるようになることを祈り、一方で、今回の経験から、ミーティングや小さな講習会など、オンラインの活用が身近にできることを学び、私たちのつながっていける選択肢が多様化したことを前向きにとらえて、困難にあっても負けないで進んでいきたいと思いました。

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